信貴山城跡(奈良県生駒郡平群町)

1567年(永禄十年)10月10日の今日は、松永久秀の命日です。

松永久秀は「乱世の梟雄」と言われるほど、悪逆の限りを尽くしました。
主君であった信長からは「常人にはできない悪行を三つもやってのけた男」と評されています。

三つとは、かつて仕えていた三好家の乗っ取り、将軍・足利義輝の暗殺、東大寺の焼き討ちです。
確かにどれも人の道に反する行いで、善行を重んじる人物ならひとつとしてできないでしょう。


久秀の突き抜けた悪党ぶりは、一部の歴史ファンの心をつかんでいます。
ファンから最も熱く語られるのは、戦国史でも類を見ないすさまじい散り様です。

信長に謀反を起こした久秀は居城である信貴山城に籠城したところを、織田軍に包囲されました。
信長は茶釜「平蜘蛛釜」を譲れば許すと久秀に伝えます。
いくら名器といえども、背に腹は代えられないはず。

信長のそうした思惑とは裏腹に、久秀は驚くべき行動に出ます。
「平蜘蛛釜」に火薬を詰めこむと、火をつけて爆死したのです。
信長に対する最後の反骨心を示したのでしょう。
炎上する信貴山城天守閣を見て唖然とする信長を想像すると、なんとも痛快ですね。


壮絶に生きて、壮絶に果てる。
久秀の悪人ながらも筋の通った生き様が、ファンにはたまらないのではないでしょうか。



信貴山城跡は、駐車場から山頂まで30分ほどで到着します。
石碑があるのみですが、その城跡の広さから立派なお城が想像できますよ。


【今日の人物】

松永久秀(まつながひさひで)

戦国時代の武将。
長年仕えていた三好家の乗っ取り、将軍足利義輝の暗殺、東大寺の大仏殿の焼き討ちなど、悪逆の限りを尽くしました。
あまりの突き抜けた悪党ぶりに、歴史ファンのなかには熱烈な久秀愛好家がいます。



【オススメの本】
黒部 亨さんの
「松永弾正久秀」
が面白いです。


戦国の梟雄と称される松永久秀。
織田信長上洛前の京の実質上の支配者であった彼は、主家・三好家を乗っ取り、第十三代将軍・足利義輝を弑逆、さらには東大寺放火と、その非道な行動から悪人のレッテルを貼られてきた人物である。

だが、かつて同じく梟雄と称された斎藤道三や信長が、一方で優れた先見力を持ち、時代の先駆者として近年再評価著しいように、久秀もまた、少なからずその面を持ち合わせている。

本書は、彼の評価を人間的な史観から問い直す力作である。

京の東寺を縄張りとする浮浪の少年であった久秀は、ひょんな経緯から三好家と縁の深い隆法院の寺男となり、さらに離宮八幡の荏胡麻買いの人夫に。
この時期に培った視野の広さ、兵学、そして処世の術をもって、後に三好長慶に仕え、次第に能力を発揮していくのである。

何の後ろ盾もなく、自らの力のみを信じて乱世を疾駆した男の心情と、下剋上そのものの波瀾の生涯を見事に描出する長編小説。


松永久秀という人物の裏も表もしっかり描かれている小説です。
久秀といえば、信長を裏切ったり、爆死したり、破天荒な武将というイメージが強いと思います。
それでも久秀に魅せられるように書かれていて、久秀の魅力が伝わってくる一冊です!


・・・ということで、今日は松永久秀が亡くなった日。
爆死する勇気は私にはありませんが、久秀の「自分の力を信じる勇気」は見習いたいと思います!